□基礎編
もっと変なP【重音テト】テトの演技力4・調声さらし(http://www.nicovideo.jp/watch/sm6756298)から 「君はじつに馬鹿だな」というテトお決まりの決めゼリフを練習してみましょう STEP1)テキストを入力 tempo 110.0 Quantize L32 32分音符 Length L16 16分音符 に変え、テキストを入力。(※「は」を「わ」に変えるのを忘れずに) 全ての音符をF4(C4から5マス上)へ配置。 STEP2)ブレシネスを下げる 音符を右クリックしたときに出るプロパティからBREの値に10を入れる (※下げすぎるとキンキンする場合あり) STEP3)Hオプションを使う Q,Hオプションとは? A,声を篭らせるオプションで、甲高い音に対して特に効果を発揮します 先ほどのBREの下にあるFlagsに「H10」と記入 気になる音には20〜30の値を STEP4)個別のアクセントを確認 フレーズごとに分解し、個別のアクセントを確認します。今回は「きみはじつにばかだな」というセリフなので、「きみわ」「じつに」「ばか」「だな」という4つに分けます。そのアクセントを見ると「きみわ」は「き↑み↑わ↑」「じつに」は「じ↑つ↑↓に↓」、「ばか」は「ば↓か↓「だな」は「だ↑な↑」となります。(※分かりにくい場合は動画を参照してください) このアクセントにそって音階を配置します。基本的にアクセントが強い音を高く、弱い音を低くします。 STEP5)全体のアクセントを確認 次はこのブロックをそれぞれ一つの音とみなし、全体のアクセントを確認します。 「きみわじつにばかだな」を「きみわじ↑つに↓ばかだな→」  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ (※「きみわじ」まで上がり「つに」で下がり、「ばかだな」は平行線) これを参考に「じつに」のブロックを上に上げます。動画では「わ」の横に「じ」が来るよう配置しています。 STEP6)オートピッチをかける 一旦、オートピッチをかけます。 (※オートピッチの出し方はCtrl+音符を右クリック→オートピッチ、またはキーボードの「Y」を押す) STEP7)一つ一つ上下に動かす ここからは自分の感覚を頼りに一つ一つ動かしていきます。動かしたら再生の繰り返しなので、ここが一番大変でしょう。ここで気をつけたいのは、STEP4と5で出てきたアクセントの形を崩さないことです。崩してしまうとせっかく確認したものが無駄になってしまいます。 STEP8)高音も試す 移動させているうちにC5を超えたら高音も試してみましょう。高音というのは音符の横に↑のついているものです。 (※「あ」の高音は「あ↑」 高音のないライブラリもあるので気をつけましょう) 両方聞き比べて、良いほうを選択しましょう。 STEP9)仕上げ 最後にアクセントの強い「ば」の音量を上げ、余韻を作れば完成です。語尾の「な」を伸ばし、後半のピッチを下げます。 最初の何も触っていないものと仕上げたものを聞き比べてみましょう。どうですか?変わっているでしょうか? STEP10)改変してみる 次はできたものを改変します。改変後の文章は「きみはほんとうにばかだな」 まずは、「じ」と「つ」を削除します。「ほんと」と入力し、削除した部分に組み込みます。「う」は使いません。「と」を伸ばすと「う」の代わりになるからです。 STEP11)長音を使う 長音とは「う」を使わず、「と」を伸ばして「う」の代わりとすることです。歌わせる場合では基本中の基本テクですが、喋らせる場合にも同様に有効です。 STEP12)「ん」の音量は下げる 「ん」は口を塞いで発音しているので、音量を50%以下まで絞りましょう。 一部を改変するだけでもいい練習になるので、おすすめです。 補足1)モジュレーションはいじらない モジュレーションはよほどのことがない限り、いじりません。喋りというのは常にピッチが変動しているので、0にすると少し硬い印象になってしまいます。ここが歌わせる場合と決定的に違う部分です。 補足2)た行は発音上2種類ある たてぃとぅてと つぁちつつぇつぉ この2種類は発音的な行分けになるので、原音設定などの参考にしてください。 補足3)さ行は先行発声が長いので注意 さ行は先行発声が長く、前の音がつぶれやすくなるのでオーバーラップを長くしたり、前の音を長くしたりしましょう。 □応用編 前回、個別のアクセント全体のアクセントを確認したようにアクセントというのは喋らせる上で大事な要素であることは伝わったと思います。ですが、アクセントをちゃんと確認したのになにかおかしい。アクセントは合っているはずなのに違和感がある。そんな経験は誰しもあるのではないでしょうか?勿論、合成しているわけですから違和感があるのは当たり前ですが、それは置いておきます。 まずはアクセントの変化についてお話します。例として「どこにお住まいですか?」「お住まいはどこですか?」。このように同じような文章でも、単語の位置によってアクセントは変わります。さらにまったく同じ文章でもテンションによってアクセントは変わります。とにかく、アクセントは一定ではなく変わるものなのだと意識していれば不自然な部分を見つけやすくなります。 同じような高さのブロックが続く場合、次のブロックは音程をずらした方が良いです。同じ高さが続くと機械的に聞こえるからです。単調になっていると感じたら、隣のブロックをずらしてみましょう。 ピッチについて ピッチは繋げることにより滑舌を良くしたり、曲げることによって抑揚をつけたりと使いこなせば表現の幅を広げる事ができます。たとえば、「そうですか」というフレーズ。「そうですか」の「か」のピッチを下げてやると相槌のようになり、上げてやると疑問系のようにすることができます。他にも「あ」とただ伸ばしたものも、ピッチをいじることで「あ〜あ」のような表現も可能です。これらはほんの一例で他にも色々な使い方があります。まずは色々曲げて遊んでみましょう。 音程の決定について 結論から言うと、気合で頑張ってくださいとしか言いようがありません。なぜかというと喋りにはテンションがあるからです。テンションが変わると音程やテンポも変わります。場合によってはアクセントまで変わります。これが音程の決定に対して大きな壁になっています。じゃあ、普通のテンションで喋らせればいいと思う方もいるでしょうが、その"普通"が曖昧すぎてよく分かりません。ちょっとでもテンションが変わると音程などがほとんど変わってしまうからです。なので、音程の決定に関しては、結局、気合で頑張るしかありません。ただ、これだと講座にならないので普段、自分がやっていることを紹介します。 まず、既存のセリフを耳コピ。これは音程がどのくらいの高さになっているのか、音程の幅や高さがどうなっているのか、かなり勉強になります。 たとえば、・音程の幅は1オクターブくらい ・アクセントは右肩上がりの場合、1文字目と2文字目の差は大きい ・喋りのテンポは意外と速い ・余韻があるので語尾は伸ばす ・「かい」「まい」などの「い」の音量は下げる ・「ん」の音量は下げる ・「です」「ます」の「す」は無音化する ・「き」「く」「し」「ち」「つ」「ひ」「ふ」なども場合によっては無音化している ・ピッチはなるべくつなぐ ・ピッチななるべく曲げる …など。 そして、改変とコピペです。すでに作ったセリフとアクセントが同じなら、コピペして改変して後はテンションに合わせるだけなので楽です。やっていることはこんなもんですが、これらのメリットは作れば作るほど調整が楽になっていきます。逆にデメリットはとにかく初めが大変ですし、新しい喋らせ方に挑戦しないとすぐにマンネリ化してしまします。 次に、音源を変える場合です。これは推論ですが、喋りはキャラの個性と密接に関わっているのでそれを踏まえて調整する必要があります。2人以上喋らせる時になるべく避けて欲しいのが、音程やテンポを同じにしてしまうことです。それぞれ単独に喋らせるぶんには問題ありませんが、合わせた途端に喋りが薄っぺらくなってしまいます。声質の違いに頼るのではなく、喋り方の癖などで個性を表現できるようにしましょう。 では、自分のやり方を紹介します。まず、左上にある音源名をクリックします。音源情報が表示されるので、そこにある平均周波数を確認します。 (※freq avg:206.6 Hz(G#3)←これのことです)  ̄ ̄ これを仮のベースラインとして一言作ります。作ったら一段づつ上げ下げし聞き比べ、気に入った声質になったら改めてそこをベースラインにします。次に簡単でいいのでキャラ設定を固めてやります。後はベースラインとキャラ設定を合わせて喋らせていきます。 それでは、最後にこれだけはやっておいて欲しいこと。なんでもいいので週一本アニメを見ること。そして、プロの声優の凄さを実感すること。これがかなり重要です。 ここまでのお付き合いありがとうございました。 |